次へとつながる事業多角化への計画の作成支援

有限会社中の原銀嶺
代表取締役 絹見 安史氏

挑戦することが、次へとつながる一歩 ~常に研究、さらに前進~

有限会社中の原銀嶺は、中国地方随一のスキー場を擁する大山の高原の中にある閑静な宿。ご夫婦二人で営んでおり、絹見社長のこだわり料理を楽しみにリピートする利用客も多い。近年は趣味の多様化など様々な要因により、スキー場の利用客が激減。全国的な傾向でもあり、大山でも例外ではなかった。
そこで初夏から秋までのグリーンシーズンの対策として、平成24年に、宿で出していたメニューで好評だった手打ち蕎麦のお店を米子市内にオープンさせる。絹見社長のこだわりが強く活きた「自家製粉」「手打ち」の本格蕎麦店。
3年間の紆余曲折もあったが、現在では順調に推移。さらに令和3年にラーメン店をオープン。新店舗の周知なども含め、今後のさらなる収益向上を目指した事業計画策定支援を行うこととなった。

  • アイデアマンの絹見社長

事業内容

有限会社中の原銀嶺は、昭和41年から大山スキー場に隣接する旅館として営業を行ってきた。バブル期にはスキー場に人が溢れ、レンタル業も行うなど売上も順調に推移していたが、スキー人口の減少に伴い宿の利用客も減少していった。
そんな中、2代目として宿を継いだ絹見社長は、グリーンシーズン対策として、食堂で人気だった手打ち蕎麦の店舗「手打ち蕎麦や ぎんれい」をオープン。立地も良く、オープン当初は売上も順調に伸びていったが、本業の観光地とは違うエリアでの営業では様々な問題が出てきた。これらを解決するため、商工会へ相談し、専門家からのアドバイスを受けて、多くの改革を行った。「3年間は本当に苦しかった。」と絹見社長。現在では順調に推移し、令和3年にはこだわりを追求したラーメン店「麺や 銀乃助」もオープン。グリーンシーズンのさらなる対策として営業を行っている。

  • 店舗外観(手打ち蕎麦や ぎんれい)
  • 人気のそばお得膳(手打ち蕎麦や ぎんれい)

本業である旅館業、順調に売上を伸ばす手打蕎麦店、新たな対策としてオープンさせたラーメン店について、「とにかく現状をしっかり把握したかった。」と振り返る絹見社長。

保証協会のサポート

スキー客をメイン顧客とする旅館業のグリーンシーズン対策として米子市内で手打蕎麦店とラーメン店を営業。しかし、新規オープンしたラーメン店の集客不足等があったことから、保証協会のメソッドアドバイザー派遣事業を活用し、事業計画の作成支援に取り組んだ。

3-1 相談のきっかけ

従来から商工会とメインバンク、保証協会の3者によるフォローアップを実施していたところ、ラーメン店の集客課題等が浮上したことから、保証協会のメソッドアドバイザー派遣事業を提案し、事業計画の作成を行うこととなった。

3-2 保証協会のサポート/解決策

専門家による課題の洗い出しと対策を含む事業計画作成支援を行う

①宿泊部門の顧客情報の整理と活用
②今後を見据えた蕎麦店の後継者育成
③新規オープンであるラーメン屋の集客強化 等

  • 山の宿 中の原ぎんれい
  • 山の宿 中の原ぎんれいの食堂
  • 社長手作りのランプシェード
  • 絹見社長と奥様

・団体客をはじめとした顧客情報の精緻なインプットと、今後の販促への活用
・料理の情報提供や、リニューアルなどによる個人客の集客強化
・後継者の育成
・地元情報誌、店舗SNS による発情報発信強化

 

「最近では、味噌ラーメンがおいしい言ってくれる常連さんが増え始めた。」さらに「混ぜそばや油そばも気になる。」と好奇心と研究に余念のない絹見社長。

お手頃な価格の店舗が増える中、値段ではなく、素材や味にこだわることで「選ばれる店舗」を目指し、前を向き続ける絹見社長の視線の先には、常に新しい挑戦が待っています。

取材後記

「専門家の先生は言葉がわかりやすく、ほめ上手。」と絹見社長。「相談もしやすく、親身になって聞いてくれるのでこちらの不安を上手に解消してくれる。」とほほを緩める。「まだまだやりたいこともあるし、頑張れるうちは楽しんで頑張っていきたい。」と語る絹見社長の情熱は止まらない。

五か年計画はまだ始まったばかりだが、保証協会としては、常に前向きに進む絹見社長と、それを支える奥様の二人三脚をしっかりとサポートしていきたいと考えています。