「発想の転換」を形にする事業計画の作成支援
- 株式会社ここあす
- 代表取締役 鷲見 一平氏
発想の転換は経営の転換 ~固定観念からの脱却が事業転換のカギ~
株式会社ここあすは、平成26年創業の中古自動車販売業の会社。平成30年に現在の上福原へ事務所兼店舗を移転。
ここあす米子店は、中国地方最高峰である大山のすそ野にあり、田畑に囲まれている。また主要幹線道路にも近く、お客様も立ち寄りやすい立地となっている。
業務の主軸である中古車販売では、仕入車両の整備や修理はもちろん、板金塗装も自社内で可能なことが強み。現在は、販路を県西部から東部エリアへ、そしてネットによる全国規模に広げている。遠くは沖縄県からも注文の入るネット販売。今までになかった流通や物流に驚きつつ、さらに多くの車を扱う鷲見社長だが、コロナ禍による社会情勢変化の影響など、複合的な問題が浮上。
問題解決の相談について、創業時より取引のあったメインバンクの紹介により、保証協会でのサポートを行うこととなった。
-
- 開放感あふれる農地が広がる事務所周辺。天気のいい日には店舗前に大山も広がる
事業内容
株式会社ここあすは平成26年創業。中古自動車販売をはじめ、修理、車検など、広くクルマ全般の業務に携わる。
「下請け業務は行わない」という方針のもと、仕入れた中古車の修理、お客様からの修理依頼などを軸に営業している。板金塗装=職人という昔からの固定観念を超えて、パートが行う多くの細かい下準備と、技術スタッフが行う板金塗装作業との分業制を導入した。
女性のスタッフも多く働き、きめ細やかなサービスや的確な作業は定評を得ている。また、現在では中古車販売はネットでの取扱いも多く、さらにBtoB の問合せへの対応も増えてきている。
-
- 店舗外観
-
- 店舗外観
「当時、もうどうしていいのかわからなくなっていました。」と振り返る鷲見社長。
新店舗移転後、業務拡大に伴う人材不足により板金塗装業務や内部オペレーションが停滞。中古車のタマ不足による販売数の低下。作業効率の低下による収益性のダウンなど、様々な要因が重なる課題が浮上した。
保証協会のサポート
保証協会のメソッドアドバイザー派遣事業を活用し、事業計画を作成し、収益性の改善を含め取引金融機関との連携による支援に取り組んだ。
- 3-1 相談のきっかけ
資金繰り等の相談でメインバンクと協議を重ねていたが、メインバンクから保証協会のメソッドアドバイザー派遣事業を提案されたことから、事業計画の作成支援をすることとなった。
- 3-2 保証協会のサポート/解決策
専門家による財務、実務、経営の現況把握と問題の明示化。財務を含む事業計画案の策定や、現場オペレーションに対する改善策の提案と実行。
①販売強化による収益改善
②作業オペレーション構築による生産性の向上
③資金繰りの円滑化
-
- 作業の様子
-
- 塗装専用ブース
-
- 作業の様子
-
- 看板犬の"すもも"
・パートによる板金塗装の下準備など、分業制による作業効率の向上
・作業効率向上に伴う、取扱台数の増加並びに販売台数の増加
・販売台数増加及び収益率向上に伴う、財務の健全化(債務超過解消)
・期日一括型の保証制度の活用による資金繰りの安定化
など、様々な成果を見ることができた。
「日常業務を行いつつ、今まで見ているようで見てこなかった実務・財務・経営などの分析を行うことは困難でしたが、専門家さんの簡単な宿題方式により、楽しみながら、成果を出すことが出来ました。」と鷲見社長。
「宿題の中で、自分たちの長所・短所を改めて考え直し、実際自分たちが何を優先して取り組めばいいのか明確にわかることが出来た。」と振り返ってくれました。業務の効率化では「板金塗装の分業制」という刷新的なシステムを取り入れた鷲見社長。固定観念にこだわらない柔軟な発想は、変化し続ける時代の中で、その対応力に期待が持てます。
取材後記
「専門家の方や、保証協会の担当者の方には本当にお世話になった。」と鷲見社長。「今回いただいた機会の中で、会社を経営していく上で、数字はとても大切で、もちろん資金も大切。でも、なにより人が大切だと改めて深く心に沁みました。保証協会の担当者の方には、時には厳しいことを問われることもありますが、そこにはお互いへの信頼があり、その言葉は叱咤激励であると感じる事ができます。」と語ってくれました。難しい問題や困難にも前向きに取り組み、さらなる向上を目指し進んで行く株式会社ここあすの未来が楽しみになります。