コロナ禍の克服に向けた「新規顧客獲得」への支援

しの和ガーデン
代表 三輪 聡 氏

こだわりの先にある本当の強み ~違う視線からみつかる新しい展開~

平成18年、フランス語で中華料理を意味する「シノワ」と、ガーデンテラス調の雰囲気とをあわせた「しの和ガーデン」としてオープン。店名の通り、「一人分を少しずつ」食するフランス料理をモチーフとし、和テイストも取り入れたオリジナル中華を提供。
平成27年、現代表である三輪氏が前社長より代表を受け継ぎ、さらに味にこだわった中華料理店として営業を開始。豊富なメニューと丁寧な料理は、ランチと夜の宴会を中心に順調に売り上げを伸ばす。三輪代表の味へのこだわりと、隠れ家的な店舗の雰囲気とがあいまって、中華料理には珍しく女性のファンも多かったが、2年前拡大した新型コロナウイルス感染の影響を大きく受けてしまう。

事業内容

しの和ガーデンは、中華の定番である「大皿=大盛」とは一線を画する、「こだわりの料理を少しずつ味わってもらう」中華料理店としてスタート。特別な日に、少しかしこまって食事をしてもらう「ちょっとハイクラスな中華料理」をコンセプトとし、店舗外観は中華料理のイメージである「赤」や「黄色」を使わずシンプルに。
さらに隠れ家的な雰囲気を出すため、店舗前のPOPや装飾も必要最小限とすることで、「知る人ぞ知るおしゃれな中華料理店」としての魅力が固定客を多く掴み、メイン料理をセレクトできるランチメニューや夜の豊富なメニューで集客していた。

  • 人気の肉焼売
  • 店舗の様子

令和2年1月以降に日本で新型コロナウイルス感染症が流行。政府、自治体の緊急事態宣言による影響を多くの飲食店が受けた。
しの和ガーデンも例外ではなく、宴会の自粛などにより売り上げが大幅減少となった。

保証協会のサポート

コロナ禍の影響による顧客の減少に対応するためメソッドアドバイザー派遣事業を活用し、これまであいまいだった店舗コンセプト等の見直しに取り組んだ。

3-1 相談のきっかけ

売上の減少を受けて、取引金融機関から運転資金の支援と専門家からのアドバイスを受けることを提案され、保証協会のメソッドアドバイザー派遣事業を活用することとなった。

3-2 保証協会のサポート/解決策

あいまいとなってなっていた店舗コンセプトの見直しと、店舗の認知度向上への対応

①「味にまじめなお店 中華しの和」をコンセプトとして確定
②スマレジ導入による、販売需要のデータ化
③メニュー数の見直しと価格改定によるメニュー表の刷新
④GoogleやSNSを活用した情報発信
⑤店舗前への看板やのぼりの掲示による店舗の認知度向上
⑥ウーバーイーツへの出店

  • 写真を多用したわかりやすいメニューの作成
  • ランチメニューへも写真を使用
  • 店舗前への暖簾とのぼりの掲示
  • 一押しメニューの明確化

・中華料理店であることをコンセプトにはっきりと打ち出すことで、今後のメニュー展開やPRの軸を作ることができた。
・情報発信により店舗認知度が上昇した。
・メニューの見直しにより、ランチ帯の新規客が増加し、夜営業の集客にもつながった。

「自身だけだと迷うことも多く、迷っているうちに機会を失ってしまうことが多かったと感じる。」と三輪代表。
自身にこだわりがあるがゆえに、どんどんメニューが増えていき、“自信のあるものが多い=どれも一押しにはならない”ということを見失っていた三輪代表。同業者でもある専門家の意見を取り入れることで、店舗の本当の魅力、一押し商品を自信をもってすすめられるようになったという。
また、二人三脚で切り盛りしてきた接客スタッフの力も忘れてはいけない。親しみのある接客をするスタッフに会いに来てくれるお客様も増え、多忙な毎日を過ごしている。

取材後記

「専門家さんにはサポートが終わった今も、気にかけてくださってます。お願いすることも多く、本当に助かっています。」と三輪代表。
「今までなかなかふんぎりがつかなかった事も、後押ししてくれる方との出会いをくれた保証協会さんには感謝しています。」と語る三輪代表の瞳には、料理への自信と未来への明確な目標が輝いていました。