先代からの思いを引き継いだ経営改善計画の作成支援

有限会社KOMATSU
代表取締役 岸田 将志氏

歴史からつながる未来へ ~既存事業から広がる、新しい事業への展開~

有限会社KOMATSUは、昭和29年創業の老舗靴店。コマツ靴店として個人商店からスタートした同店は、昭和59年、現在も店舗を構える地元ショッピングセンターへ出店。その後法人化を経て、平成29年、3代目となる岸田社長就任とともに社名も有限会社KOMATSUへ変更。
靴のプロフェッショナルであるシューフィッターを有するまさに靴の専門店として営業中。

また、新たに同ショッピングセンター内へオープンしたアウトドア専門店では、単なる小売りにとどまらずオリジナル商品の開発や、ノルディックウォーキングインストラクター経験のある社長が主体となり、ウォーキング等のアウトドアイベントの企画など、新しいチャレンジも行っている。

保証協会では、先代からの思いを引き継ぎ、次の時代へと向かう岸田社長の挑戦へのサポートを行った。

  • シューズショップコマツ
  • アウトドアスポーツショップActivit

事業内容

シューズショップコマツは、市内の小中高の推奨靴店として、倉吉でも老舗の靴販売店。現在、社長も含め3名のシューフィッターを有する靴の専門店として営業している。

中でも先代社長は、山陰唯一の「幼児子ども靴専門」のシューフィッターの資格を持ち、成長期の子供たちの難しい靴選びのアドバイザーとして、店内のみならず外部イベントでも活躍をしている。

また、同ショッピングセンター内へオープンしたアウトドア専門店では、人気のアウトドア用品と並んで、自社開発を行った「砂丘シリーズ」など、オリジナル商品の販売も行う。

  • 幼児子ども用のサイズ測定用具
  • Activitオリジナル鉄板

アウトドア専門店を出店する以前、ショッピングセンター内で靴専門店を営業していく中で「様々な課題も抱えていた。」と振り返る岸田社長。

その中でも、商圏内の人口減少ならびに高齢化といった地方が抱える共通の悩みと共に、「消費者の価値観の変化も大きい。」と岸田社長は語る。

靴の低価格化=消耗品としての位置づけの変化により、同市内大手チェーン店との価格競合による売り上げの減少。
また、在庫商品の管理不足など様々な課題が浮上した。

保証協会のサポート

同ショッピングセンター内へのアウトドア専門店出店に伴い、メソッドアドバイザー派遣事業による現状分析を行ったのち、認定支援機関による経営改善計画策定事業(405事業)を活用し、とっとり企業支援ネットワークにて支援することとなった。

3-1 相談のきっかけ

保証協会職員のフォローアップ訪問によりアウトドア専門店出店についてヒアリングしたことから、専門家を派遣し、現状分析を実施することとなった。

3-2 保証協会のサポート/解決策

現状分析を踏まえ、とっとり企業支援ネットワークで、専門家による課題への対策と、アウトドア専門店出店などを含む事業計画策定の支援を行った。

①新商品の企画(新生児向けファーストシューズ)、関連会社(靴修理業)との連携による販売企画
②アウトドア専門店の出店に関する事業計画案作成
③利益確保への経費削減、在庫管理を含む運営方法の見直し 等

  • 人気の刺しゅう入りファーストシューズ
  • ファーストシューズコーナー
  • 店舗の様子(※撮影のためマスクを外しています)
  • 接客の様子

・新規顧客の獲得、利益率の改善など
・期日一括型の保証制度と県の設備資金制度の活用による資金繰りの安定化
・アウトドアショップでのイベントを通じ、シューズショップでの売り上げもアップ
・メンテナンス券などの発行による、関連会社(靴修理業)との連携効果のアップ
など、様々な成果を見ることができた。

 

また、各ショップにはそれぞれに専門的な知識を持った店員を配置。さらに「お客様の反応や動向を見ながら、臨機応変に対応していく事で、柔軟な店舗運営を心がけている。」と語る岸田社長。
専門店ならではの、「知識」というコンテンツも含めた商品は、今後への発展が期待できます。

取材後記

「保証協会の経営支援を受けることで、オリジナル商品の開発など、新しいことに挑戦できた。」と岸田社長。
「保証協会の職員さんには、親身になって寄り添ってもらった。また専門家の方には、事業継承など様々な相談にも乗ってもらえて本当によかった。」との言葉をいただきました。